後手の序盤

Last modified 2003/6/15 ;


初手▲7六歩


 後手番のとき、先手は▲7六歩と指してくる場合が多いです。

 自分の経験では80%以上が▲7六歩で、▲2六歩が15%程度、▲5六歩も2%弱ありました。他にはいきなり端歩を突いてくるなどの例外も数局ありましたが、ほとんど無視して構わない頻度でしょう。初手▲2六歩、▲5六歩については後で触れます。

 後手番でも矢倉を目指すので▲7六歩に対しては△8四歩と指しています。

 先手が振り飛車党であれば▲7六歩に△3四歩でも▲6六歩△8四歩と結局同じことになりますが、 先手が居飛車党だった場合▲7六歩△3四歩に▲2六歩とされた時に横歩取りに進むか、自分が飛車を 振るしかなく困ります。さらにそこから△4四歩として頑なに矢倉を目指すのは不利になることが多いため、 自分は初手▲7六歩に△3四歩とは指しません。



▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩


 ▲7六歩△8四歩に▲6八銀ならば定跡的な矢倉の進行になります。

 最近のプロ間では矢倉の後手番は指しにくいというのが定説化してきているようで矢倉そのものが減少傾向にありますすが、 自分に限って言えば横歩取りなどの苦手戦法で戦うよりも数倍マシだと思っています。

 △3四歩に対しては▲6六歩か▲7七銀ですが、どちらかと言うと▲6六歩と指す人が多いです。
 自分も先手番のときは▲6六歩と指しますが、▲6六歩は右四間速攻に対して気をつけないといけませんし、 逆に▲7七銀だと中央からの急戦に注意が必要です。
 なお、△3四歩に▲6六歩の場合先手はまだ振り飛車の可能性もありますので、△4二銀などと矢倉と決め付けて 指してしまうと損をします。



▲7六歩 △8四歩 ▲6六歩 △3四歩


 ▲7六歩△8四歩に▲6六歩が最も多いです。

 ▲7六歩△8四歩に▲7八銀と指す人も多いですが、△3四歩に▲6六歩となれば同じ局面になります。△3四歩に▲7七銀ならば矢倉の定跡に戻ります。

 先手振り飛車模様の局面で、▲6六歩に対しては△3四歩以外あまり考えられません。
 四間に振る人が圧倒的に多いですが、三間飛車にする人もいます。もちろんここで▲6八銀ならば矢倉の定跡に戻ります。



▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩


 先手が横歩取りや角換わりを目指す場合は▲2六歩で、頻度としては▲6八銀と同じくらいです。

 △3四歩と横歩取りを受けるか、角換わりにするか、両方自信がないのでツライところです。

 角換わりにする場合は△3二金が最も自然な手ですが、自分は角換わりを指す場合△3二金を省略して△8五歩と指しています。
 なんとなく△3二金とすると角換わりになるより相掛かりに変化する確率が高い気がして嫌だからなのですが、 そもそもこの局面で△3二金と指したことがないので実際のところはわかりません。
 ▲7六歩を突いている以上先手も相掛かりにすると少し損な意味はありますが、横歩志向の人ならば角換わりよりも相掛かりを選択するかもしれません。

 △3四歩と△8五歩のどちらも同じくらいの割合で指していますが、△3四歩から横歩取りに進んだときの勝率が極端に低く、△8五歩の方が多少マシなようです。



▲7六歩 △8四歩 ▲7八金


 高田流とも呼ばれる3手目▲7八金を指す人もたまにいます。

 ▲7八金の狙いをよく知らないのでどう指せば良いのかわかりませんが、△3四歩と指して今のところ特に不利は感じません。
 そこからの先手の指し手は様々ですが、この局面からの勝率は良い方なので、対策は後回しと言った感じです。



▲7六歩 △8四歩 ▲7五歩


三間飛車模様です。それほど数は多くありません。

 次に△8五歩と伸ばすのが大事な手で、先手に▲7七角を強要します。△8五歩のところで△3四歩としてしまうと ▲7八飛とされ早石田を狙われる含みがあり、やっかいです。



▲7六歩 △8四歩 ▲7八飛


 いきなり三間飛車にする人もいます。

 ここでも次に△8五歩として先手に▲7七角を強要するのを忘れてはいけません。



▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩


 中飛車模様です。先手はまだ居飛車の可能性もありますが、先手でも後手でも5筋の歩を早めに突く人はほとんど中飛車にするようです。居飛車党であれば ▲5六歩のところで▲6八銀から矢倉にするか、▲2六歩から横歩取りや角換わりやを目指すのが普通でしょう。

 △8五歩▲7七角を決めるかどうかは微妙なところですが、向飛車に変化される恐れもあり、自分は△8五歩を決めないで指すことがほとんどです。

 △5四歩と位を拒否するのは乱戦になりやすそうなので、△3四歩と指して態度を明らかにしてもらうのが一番無難かもしれません。ただし△3四歩 ▲5二飛のとき通常のゴキゲン中飛車の形に比べ後手の飛車先が伸びていないのが気になります。
 自分は△6二銀?△6四歩?△6三銀と早めに5筋を受けておいて持久戦に持ち込む指し方を選ぶことが多いでが、そこまで備える 必要があるかどうかは疑問が残ります。



▲7六歩 △8四歩 ▲7七角



 あまり多くはありませんが、先に▲7七角と上がる人もいます。

 次に△3四歩と突いて、▲6六歩と角道を止めてくれば結局3手目に▲6六歩としたのと同じことになります。

 ただし△3四歩に対して▲8八銀のように銀を上がって角換わり模様に進むときもあります。こちらから角交換をしてしまえば 初手▲7六歩△8四歩に▲2六歩から角換わりになるのとあまり変わりませんが、通常の角換わりと比べてお互いに飛車先が 伸びていないのがどう影響するのかは難しいところです。
 △3四歩▲8八銀には△4四歩と角道を止めて角交換を拒否しておけば先手の駒組みも制限されているので良さそうですが、 ▲8八銀でなく▲7八銀や▲6八銀ならば先手が振り飛車にする可能性もあるので、その場合に限り角道を止めずに△6二銀としておく方が無難だと思います。 その後の変化については前例が少ないこともあり、よくわかりません。



▲7六歩 △8四歩 ▲4八銀


 ▲7六歩△8四歩に▲4八銀と指す人もいます。狙いは右四間だと思うのですが、どうなんでしょうか。

 それほど頻繁に現れる手ではありませんが、狙いがわからないままだと急戦に来られたとき困りそうなので、 一度しっかり対策を考えておきたいところです。

 とりあえず△3四歩や△8五歩と指していますが、手探りの状態です。△8五歩だと▲7七角△3四歩▲8八銀と、 角換わり模様に進むことが多いです。



初手▲2六歩



 初手▲2六歩と飛車先を突かれると、2手目から考えさせられます。

 以前は居飛車党の意地もあって△8四歩と相掛かりを受けていたのですが、最近はもっぱら△3四歩と指しています。

 どちらを指しても次に▲2五歩とされるのが嫌ですが、△8四歩だと7割から8割くらいが▲2五歩としてきて相掛かりになります。

 △3四歩の場合は6割くらいが▲7六歩と飛車先を決めずに指してくる人の方が多いです。▲2五歩ならば△3三角と上がって振り飛車にせざるをえないでしょうし、 ▲7六歩と飛車先を決めてこなかった場合でも、居飛車にするならば横歩取りしかありませんが、そもそも横歩取りも 苦手なので、初手2六歩とされるのははっきり苦しいです。▲2六歩△3四歩▲7六歩ならば横歩取りにするよりも不利を承知で△4四歩から 強引に無理矢理矢倉を目指す方がいいかもしれません。



初手▲5六歩



 初手▲5六歩と中飛車模様に来られる場合もあります。

少し前にNHKの講座で森内名人(当時)が、この初手▲5六歩を取り上げていたこともあり、その影響があるのかもしれません。

▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩と似たような変化になる可能性もありますが、先手が飛車先を▲7六歩?▲7七角でなく▲9六歩?▲9七角と 端の方で受けることも考えられるため、少し複雑です。

 初手▲5六歩には△6二銀とあらかじめ5筋を受けておくことが多かったのですが、△3四歩の方が自然な感じはします。
 △3四歩だと▲7六歩とは突けないので(角交換から△5七角がある)、▲5八飛としてくることが予想されます。

 極めて稀なケースですが、初手▲5八飛といきなり中飛車に来られたこともありました。